無原罪の御宿りの教義決定、150周年記念

12月8日には、聖母の無原罪の御宿りを祝います。150年前の1854年12月8日、ピオ9世教皇は、聖母マリアが受胎の瞬間から原罪のあらゆる汚れから免れていたと宣言した。これを記念し、祈るために関連する言葉をここに紹介する。

『次の教義を宣言し、公表し、定義する。人類の救い主キリスト・イエズスの功績を考慮して、処女マリアは全能の神の特別な恩恵と特典によって、その懐胎の最初の瞬間において、原罪のすべての汚れから前もって保護されていた。この教義は神から啓示されたものであるので、これをすべての信者は固く信じなければならない。』 (大勅書「イネファビリス・デウス Ineffabilis Deus」 ピオ9世教皇)

『大天使がマリアに神の母になることを告げた挨拶にあるように、「マリアは恩寵に満ちたお方」(ルカ1,28)です。人間の知恵では、この偉大な奇跡と神秘を把握し理解することはできません。信仰によって示された聖母の無原罪の受胎は、地上を旅する人類の救いの保証です。聖母マリアは、この際立った独自性によって、罪とその結果に対抗する厳しい戦いの確かな支えとなってくださいました。

イエスの愛した弟子ヨハネは、マリアを自分の家に迎え、同時に自分の生活の中にも聖母マリアを受け入れました。霊的著述家たちは、聖書のこの言葉から、すべてのキリスト信者が自分の人生にマリア様を受け入れるようにというメッセージを読み取りました。』 (ヨハネ・パウロ二世教皇、2003年12月8日、お告げの祈り、正午の挨拶)

『マリアが「ご自分の御やどりの最初の瞬間から」飾られていた「まったく特別な聖性の輝き」は、全面的にキリストに由来するものです。マリアは「子の功徳が考慮されて格別崇高なるしかたであがなわれ」たのです。御父は他のいかなる人間にもまして、マリアを「キリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました」 (エフェソ1,3)。 「天地創造の前に」神は、マリアを「愛して、ご自分の前で」聖なる者、汚れない者にしようと、「キリストにおいてお選びになりました」 (エフェソ1,4)。』 (カトリック教会のカテキズム、492番)

『天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた(黙示録12・1)。けがれなき処女マリアはエバの罪を償いました。神の娘であり、神の御母、そして神の花嫁であるマリアは、無原罪の御足で、地獄の蛇の頭を踏み砕いたのです。

御父と御子と聖霊は、マリアを宇宙の女王とし、冠をお与えになります。

天使たちはマリアに臣下の礼を尽くします。太祖と預言者と使徒も、殉教者と証聖者、聖なる乙女と諸聖人も。そして罪人も一人残らず。さらに、あなたと私も、忠臣としての礼を宇宙の女王にささげるのです。』 (聖なるロザリオ、栄えの神秘、第五の黙想)

『大勢のキリスト信者が様々な方法で聖マリアヘの愛を表わす様子を眺めるとき、きっとみなさん方も、自分は教会の一員であり、人々の兄弟であることを強く感じることでしょう。ちょうど、故郷を離れて過ごす今は大きくなった子供たちが、祝日を機会に母のもとに戻るときの家族の集いに似た雰囲気があるからです。以前には、兄弟げんかをしたり、意地悪い態度をとることもあったのですが、その日には、一つの心に結ばれた家族の愛をひとしお強く感じるのです。』 (知識の香、139番)